06月
12
2012

【特集11】就業時間終了後にアルバイトをしている社員

問題社員への対応(11)(就業時間終了後にアルバイトをしている社員)

飲食店に入ったら、そこの店員が会社の社員だった。お互いバツが悪い思いをすることは別にして、このような二重雇用は問題ないのでしょうか。
1.兼業についての基本的な考え方
  公務員については職務専念義務や私企業からの隔離が法律で明文化されており、兼業が禁止されていますが、民間企業の場合は法律上の制約はありません。兼業が禁止されるかは就業規則に根拠を求めることとなります。
このことについて裁判所は、「就業時間外は本来労働者の自由な時間であることから、就業規則で兼業を全面的に禁止することは、特別の場合を除き、合理性を欠く。しかし、自由時間に適度な休養を取り精神的肉体的疲労を回復しなければ次の労働日に支障が生じることやいかがわしいアルバイトで企業の信用・対面を傷つけることもありうるので、企業が就業規則で兼業について、企業の承認制にすることは不当ではない」と判断しています。
2.基本的な対応
(1)就業規則への規定
   上記1の裁判例などから、兼業は一切禁止するという就業規則の規定は問題があると考えられます。したがって兼業については会社の承認を必要とする趣旨の規定にすべきでしょう。具体的には「会社の承認を得ないで在籍のまま他に雇われたとき」は懲戒するというように規定することが一般的です。
(2)承認基準
   兼業についても例えば農繁期に農業に従事する場合や、収入を補うために就業時間外にアルバイトを行う場合があります。また有給休暇期間中に就労することもあります。
したがってどのような場合に承認をするのかを明確にすることが必要です。承認となる事例としてはパートタイマーのように生活上の必要がある場合、他社や団体からの依頼に対し協力する必要がある場合等限定的に考えるべきでしょう。その場合でも基本的には競業する他企業への就業は禁止すべきと考えます。
 また承認基準を定めたら社員に周知し、承認のない兼業、アルバイトは懲戒の対象となることを明示します。
(3)承認手続き
兼職を希望する場合は所定の申請書の提出を義務付けます。審査のうえ承認する場合は、所定の就業に支障を来たさないことや秘密保持について誓約書を取るようにします。
3.懲戒処分
  承認のない無断アルバイトが発覚した場合、以下のような理由がある場合を除いて解雇は一般的に困難と考えられますので、解雇より軽い処分を検討します。
解雇の検討も可能な事例としては次のようなものが考えられます。
(1)兼業により精神的、肉体的疲労の回復が行われず本来の職務の責任ある遂行に支障が生じた。
(2)兼業する職種により会社の信用や体面が著しく傷つけられた。
(3)秘密保持義務が守られず、重要な秘密が流出した。

◆ 北九州社会保険労務士 社会保険労務士法人九州人事マネジメント ◆

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