06月
12
2012

【特集13】研修受講を拒否する社員

問題社員への対応(13)(研修受講を拒否する社員)

 社内、社外を問わず、仕事やサービスの質を向上させ、顧客満足を高めるためには研修への取り組みは企業の重要な課題となっています。多くの企業では接遇研修などに貴重な時間と費用をかけ取り組んでいます。
研修は就業時間中に行うことができればよいのですが、就業時間中に行うと業務に支障がでるため、就業時間終了後に行うことが多いのが実情です。では、この研修については労働時間をはじめとして労務管理上どのように取り扱うことが必要でしょうか。

1.就業時間終了後の研修の参加を拒否した社員
(1)参加しない社員の取り扱い
  研修への参加が義務付けられているのであれば、それは「業務」です。理由もなく欠席するというのであれば明白な労務提供の拒否となり、業務命令違反として懲戒処分の対象となります。ただし、所定労働時間外であれば社員にも予定や家庭の都合があります。したがって、直前になって研修を決定するようなことは避け、社員の都合を考慮しできるだけ早い段階で日程の調整を行うことが大切です。
またやむを得ない事情で研修へ参加ができなくなった場合は、懲戒処分とすることは厳しすぎる処分と考えられます。かといって何もしないと参加した社員からは不平不満が出たりします。(そもそも研修が自分自身の成長や能力向上ということを理解していればこのようなネガティブな発想や言動は出ないと思われますが、現実はそのような理想とは少し差があるようです。)したがって賞与や昇給の評価において研修への参加を加点評価項目などにするとよいでしょう。また、研修へ参加できないやむを得ない事情について説明した届出書類を提出させることが大切です。その際何でもかんでも理由になるのでは形式的なものになってしまいますので、やむを得ない事情と判断されるケースを事前に具体的に示しておくとよいでしょう。
(2)時間外手当の取り扱い
   上記(1)にあるように業務として研修を位置づけ参加を義務付けるのであれば、当然「時間外勤務手当」の支払いを行わなければなりません。研修を義務付けているのに時間外勤務手当を支払っていなかったり、少額の研修手当を支給していたり、あるいは夜食を提供することでお茶をにごしている例を見聞きしますが、これらはすべて労働基準法上違法と考えられます。理由としては「社員自身のためになることだから」と言われることが多いのですがこれは虫のいい言い訳です。そうであれば「自由参加」にし、勉強したい社員に機会を与えるという趣旨にしないといけません。
最近の事例ではトヨタ自動車におけるQC活動が時間外労働として取り扱われるようになったことがマスコミで大きく取り上げられていました。参考になると思われます。
(3)自由参加の研修の場合の注意事項
   研修が自由参加の場合は参加しない社員に対して不利益な取り扱いすることはできません。なぜならそのことが心理的に参加を半ば強制することにつながるからです。
   不利益な取り扱いとしては次のようなことが考えられます。
・     出席率や出席回数が少ないことを評価の査定において減点評価すること
・     出席率や出席回数などを評価の査定において加点評価すること

◆ 北九州社会保険労務士 社会保険労務士法人九州人事マネジメント ◆

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