06月
12
2012

【特集15】インフルエンザ等に罹患した社員

問題社員への対応(15)(インフルエンザ等に罹患した社員)

 これから秋、冬と寒い時期を迎えますが、インフルエンザなどに罹患する確率が増えてきます。会社では他の従業員に伝染しないように、早期に休ませる必要が生じます。休ませた場合、賃金等の処遇において法定伝染病とそれ以外では対応が異なることとなります。
1.法定伝染病の場合
  労働安全衛生規則第61条第1号において「病毒伝ぱのおそれのある伝染性の疾患にかかった者」については「その就業を禁止しなければならない」と定められています。したがって、会社はこの場合、基本的に就業禁止の措置をとる義務があります。
(1)病毒伝ぱのおそれのある伝染性の疾患
結核、梅毒、淋病、トラコーマ、流行性角膜炎
上記に準ずる伝染性疾患(感染症予防法18条)
 一類、二類、三類感染症の患者、無症状病原体保有者
(2)会社の対応、処遇の取り扱い
  (1) 出勤停止
業務命令として「出勤停止」を命じます。
出勤停止は、法令に基づく就業禁止・就業制限を遵守するための措置であるため、出勤停止により勤務不能となった期間については、原則として会社には「賃金」や「休業手当」を支払う義務はありません。
  (2) 復職
    社員情報の管理に万全の注意を払い、復職に際して職場に差別的な感情などが生じないように配慮します。
2.インフルエンザ等
  インフルエンザ等(はしか、風疹、ノロウイルス等)は感染症予防法の分類上、5類
感染症と定義されているため、就業禁止の対象となるべき法定伝染病には該当しません。
したがって、強制的に就業禁止の措置を取ることができません。しかし、会社としては、
患者や他の社員への感染を拡大することを防がなければなりません。
(1)就業禁止の根拠
   就業規則に定め、法律に基づかない根拠を明確にすることが必要です。
【規程例】
「職場の衛生管理上、有害と認められる場合は、就業を禁止することがある」
(2)会社の対応、処遇の取り扱い
   就業規則の根拠規程を基に、就業禁止を命じます。
   法的な根拠がないため、会社都合による休業になります。したがって、賃金を支払うか、最低でも休業手当(平均賃金の60%)の支払いが必要となります。
ポイント
  法定伝染病とそれ以外では就業禁止の根拠及び賃金の支払いの取り扱いが違うので注意してください。

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