06月
12
2012

【特集21】解雇された後紛争調整委員会に斡旋の申請をした社員

問題社員への対応(21)(解雇された後紛争調整委員会に斡旋の申請をした社員)

 従業員を解雇したところ、紛争調整委員会から斡旋の開始の通知がきた場合、どのように対応したらよいのでしょうか
1.斡旋制度
(1)斡旋とは
   平成13年に制定された「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」で新設された制度です。都道府県労働局に窓口があり、無料で利用することができます。
   斡旋とは当事者の話し合いによる解決をめざす制度で、解決を強制するものではありません。したがって、開始の通知が来ても、手続きに参加する意思がない場合は断ることも可能です。
   斡旋は以下のように事案に応じて柔軟な解決を図ることを目的とする制度であり、簡易・迅速な解決や、柔軟な解決は事業所にとってもメリットがあるものですので、積極的に手続きを利用して解決を図ったほうが良い事案も多いと思われます。
(2)斡旋の進め方
(1) 解雇された社員と事業所の間に斡旋委員が入って、双方の言い分を聴取し意見を調整することとなります。弁護士や特定社会保険労務士は手続きを代理することができますので、依頼することも可能です。
  (2) 斡旋手続きに応じても途中で打ち切りを申し出ることもできます。委員からの斡旋案の提示の受諾を強制されることはありません。
  (3) 斡旋案を受諾した場合
    裁判上の和解と同じ効力が認められます。
2.解雇した社員が「合同労組」に加入し団体交渉を求めた場合
 合同労組とは、企業や産業を超えて労働者の組織化を目指す労働組合であり、個人でも加入できることが大きな特徴です。最近話題になった派遣切り、契約社員の契約打ち切りなどでかなり脚光を浴びているところです。企業内に組合がない労働者が相談頻度は間違いなく高くなってきています。
(1)原則
    解雇した社員がこのような労働組合に加入し、当該労働組合から団体交渉の申し入れがあった場合は、集団的労使関係のルールが適用されますので、事業所としては労働組合法に基づき団体交渉の応諾義務があります。正当な理由がなく拒否すれば団体交渉の不当労働行為となります。
(2)解雇した社員でも応諾しなければならないか
    労組法7条2項において、解雇された社員が解雇の効力を争い、社員の地位の有無を争っている場合には、社員の主張が認められた時は引き続き社員の地位を保有することとなるので、このような団体交渉の申し入れを受けなければなりません。
(3)対応
    団体交渉の場所(社外の場所)、時間帯(就業業時間後)、時間(2時間以内)、双方出席者数、連絡窓口などの団体交渉のルールを取り決め、第1回目の日程を調整して交渉に入ることとなります。

◆ 北九州社会保険労務士 社会保険労務士法人九州人事マネジメント ◆

このページの先頭へ