06月
12
2012

【特集27】懲戒処分の出勤停止処分中の休日に代休を求める社員

問題社員への対応27(懲戒処分の出勤停止処分中の休日に代休を求める社員)

懲戒処分として10日間の出勤停止処分を受けている社員から「出勤停止期間中に配置されている休日も自宅謹慎しており、休日として休んでいないので、出勤停止処分終了後に代休がないとおかしい」と言ってきました。このような代休は与えないといけないのでしょうか。

 

1.出勤停止処分とは
 

(1)出勤停止処分の考え方
出勤停止とは、制裁として社員の就労を一定期間停止することをいいます。一般的に出勤停止期間中の賃金は支払わない取り扱いがとられます。
出勤停止に係る法律上の制限はなく、就業規則の規定内容が根拠となり、それが労働契約の内容となります。就業規則の規定内容が妥当であることと、実際の適用において権利濫用、公序良俗に反しなければ有効な処分となります。

(2)出勤停止期間の長さ
大正15年12月13日に出された工場法下の行政通達では、7日を出勤停止の限度としていました(大15.12.13発労71)。裁判例では7日間の出勤停止を無効としたものから3カ月の出勤停止を有効としたものなど事案によって異なっています。実務的には7日~14日の事例が多く見られます。

(3)出勤停止処分は自宅謹慎まで義務付けられるか
懲戒処分として出勤停止を命じる場合、さらに自宅謹慎(外出禁止)を命じることは、基本的人権である「人身の自由」(憲法18条)を奪うことになり、認められないと考えられています。
出勤停止を命じる場合は、あくまで就労を禁止する(=給与を減額する)処分であり、自宅謹慎を命じることはできないと考えておくことが必要です。

(4)出勤停止処分中にアルバイトをしていたことが発覚した場合
上記のように自宅謹慎を命じることはできませんので、出勤停止命令違反として処分することはできないと考えられます。そこで、懲戒事由の中に兼職禁止を規定し、兼職禁止違反に基づいた懲戒処分を行うことで対処する必要があります。

 

 2.出勤停止処分期間中の休日の考え方

出勤停止処分中期間中に休日が含まれている場合は、その休日はどうなるのでしょうか。
出勤停止処分はそもそも出勤予定日対して発せられるものです。
そうすると、就労義務がない休日には出勤停止命令が下せないものとなります。
 

例えば「10月1日より14日間の出勤停止を命ずる」という懲戒処分の通知では、その期間中に含まれる休日が2日あった場合に、その休日を含んで14日なのか、あるいは休日を除いて14日なのかがはっきりしないこととなります。
争いを防ぐためには「10月1日より休日を除いて14日間の出勤停止を命ずる」というような通知内容にする必要があります。
法的な解釈は以上ですが、冒頭にあるような代休要求発言がでることは、懲戒処分の原因を真に反省しているとは到底考えられませんので、今後も当該社員の言動を注視しておくことが必要でしょう。

 

◆ 北九州社会保険労務士 社会保険労務士法人九州人事マネジメント ◆

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