06月
12
2012

【特集6】精神疾患のため休みがちな社員

問題社員への対応(6)(精神疾患のため休みがちな社員)

 最近では仕事のストレスなどからうつ病になるような事例が多く見られるようになりました。精神的疾患(本人や家族に自覚がなく行動からそうではないかと推測されるケースが多い)により、職場の人間関係(コミュニケーション)が壊れたり、不定期な欠勤が繰り返されるなどの状況が見られる場合、辞めてもらうことは可能でしょうか。
1.精神的疾患も病気である
精神的疾患も病気です。したがってその対応については、その他病気と同じように取
り扱います。主治医の診断で長期の自宅療養や入院が必要であれば、就業規則の休職制度による対応をすることとなります。休職制度がない場合は、主治医の診断書を基にして必要な対応を検討します。
主治医の診断書の内容について、医院から一方的に問い合わせることができません。本人の同意を得た上で、診断書の内容について問い合わせをし、場合によっては面談(三者面談が望ましい)により確認を取った上で、今後の対応を検討することが望まれます。
2.対応の進めかた
 (1)相談に乗る
    本人と状況について話し合い、相談に乗ります。臨床心理士など専門家のカウンセリングや医師の診断を受けることを勧めます。本人との話し合いが困難な場合は、身元保証人、配偶者、両親などを交えて話し合いを行います。
 (2)業務命令で医師の受診を命令する
    本人がどうしても医師の受診を受けないような場合は、業務命令として医師の受診を命ずることが考えられます。そのためには、就業規則に医院が業務命令による受診指示を出すことがあり、社員はその命令を誠実に遵守する義務があることを定めておき、社員に周知していることが必要です。
 (3)医師の受診を行わない場合
    どうしても医師の受診を受けない場合は、退職勧奨、解雇を考える必要も出てき
ます。ただし受診しないから退職勧奨や解雇ということはなく、具体的な勤務実態や言動(症状、程度、職務ないし職場に与える影響、回復の可否など)に照らして解雇もやむを得ないとされる状況にあることが必要です。その場合は「普通解雇」に該当するということになります。
ワンポイント
1.精神的疾患であることだけを理由に解雇することはできません。他の身体的な疾患の
場合と同様に取り扱うことが必要です。
2.まずは相談に乗り医師の診断を受けるように説得します。
3.本人が納得しない場合は家族の協力を取り付けます。
4.業務命令の受診は就業規則の根拠が必要です。ただし本人が納得しない場合に業務
命令で無理やり受診させることは避け、家族の協力などを取り付け、本人を説得する努力を続けることが望まれます。
5.就業規則の休職に関する規定を見直し、いざというときに困ることがないようにしっかりと準備しておきましょう。

◆ 北九州社会保険労務士 社会保険労務士法人九州人事マネジメント ◆

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