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労務ニュース《2022年1月号》

◆ 目 次 ◆

・失業給付 最大3年留保の特例(1月14日)
・介護報酬改定 1.13%増(1月13日)
・賃上げ企業を入札で優遇(1月8日)
・テレワークの助成を拡充(1月5日)
・教員の働き方改革進まず(12月30日)
・11月の求人倍率と失業率(12月29日)
・労働分配率75.5% 20年度推計(12月28日)
・政府が「デジタル原則」策定(12月23日)
・雇用保険料率 引き上げは2022年10月以降(12月22日)
・労災新基準で初の認定(12月21日)
・ワクチン接種証明アプリの運用開始(12月20日)
・一人親方等への安全対策 契約先企業に義務付けへ(12月19日)

◆◆◆ピックアップニュース◆◆◆
・「シフト制」労働者の雇用管理に関する留意事項と労使向けリーフレットを公表
・改正育児・介護休業法のQ&A集を公表

◆ 詳 細 ◆

失業給付 最大3年留保の特例(1月14日)

厚生労働省は、失業手当の受給期間を最大3年間留保できる特例を設けます。
離職後に起業して離職後1年間とされている失業手当の受給期間が過ぎ、短期で廃業しても満額受給できなくなる事例が多かったためです。
起業した会社の廃業後、求職活動を行うことを条件とします。
13日の労働政策審議会で同改正を盛り込んだ雇用保険法などの改正案の要綱が示され、17日召集の通常国会に提出されます。

介護報酬改定 1.13%増(1月13日)

厚生労働省は介護職員の処遇改善について、10月以降は介護報酬を臨時改定して対応すると発表しました。保険料の引上げは40~64歳の被保険者のみを対象とし、改定率は1.13%増、月額70円程度上がる見通し。これにより2月からの介護職員の収入引上げ幅(3%程度)を10月以降も継続する想定となっています。

賃上げ企業を入札で優遇(1月8日)

政府は2022年度から、賃上げを行う企業を公共工事や物品調達などの入札で優遇します。落札業者を決める際に価格以外の「技術点」を加点します。
大企業では全従業員の平均給与を3%以上、中小企業では給与総額の1.5%以上、前年度か前年に比べて増やすことが条件です。
賃上げ率の算定には、ベースアップだけでなく賞与も含みます。

テレワークの助成を拡充(1月5日)

厚生労働省は、人材確保等支援助成金(テレワークコース)の助成内容を拡充しました。これまで通信機器の導入・運用や専門家によるコンサルティングなどを助成対象としていましたが、オンライン会議や遠隔アクセスのためのテレワークサービス利用料も対象にすることとし、初期費用5万円、利用料35万円までを支給します。また、これまでは新規に取組みを行う企業を対象としていましたが、テレワークをすでに試行していたり、過去に導入していた企業も対象に加えました。

教員の働き方改革進まず(12月30日)

文部科学省は、47都道府県と市区町村をあわせた全国1,793教育委員会を対象に、2021年9月時点の働き方改革への取組状況について調査した結果を公表しました。
この調査で、「放課後の見回り」や「給食費などの徴収・管理」など、学校以外が担うべき業務の外部移行が進んでいないことがわかりました。また、教員の時間外勤務は、2019年度と比べ減少したものの、約半数が月45時間超の残業をしていることも判明しました。

11月の求人倍率と失業率(12月29日)

厚生労働省発表によると、11月の有効求人倍率(季節調整値)は1.15倍となったことがわかりました。求人は前月比約2万人増の約233万人でしたが、求職者も約2万人増えたため、前月と同水準となりました。また、総務省の発表によると、11月の完全失業率(季節調整値)は、2.8%(前月比0.1ポイント増)となりました。

労働分配率75.5% 20年度推計(12月28日)

内閣府が2021年12月24日に発表した2020年度の国民経済計算年次推計によると、企業の利益が労働者の賃金などにどれほど回ったのかを示す労働分配率は2020年度で75.5%(前年度は71.9%)となり、比較できる1994年度以降最高となりました。また、国別の豊かさの目安となる国民1人当たりの名目GDPは4万48ドルで、経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中19位となりました。

政府が「デジタル原則」策定(12月23日)

政府は、デジタル社会のルールや行政の仕組みに関して共通指針となる「デジタル原則」を策定しました。
1.デジタル完結・自動化、2.機動的で柔軟なガバナンス、3.官民連携、4.相互運用性の確保、5.共通基盤の利用――の5原則からなります。
来春までに規制や制度改革の方向性を取りまとめ、法改正が必要な手続きは一括法による改正を視野に入れ、法改正しなくても変更できるものは、2022年1月から順次改められる方針です。

雇用保険料率 引き上げは2022年10月以降(12月22日)

政府は、雇用調整助成金の大規模な支出を受け、保険財政が悪化している雇用保険について、「失業等給付」の料率を2022年10月から0.6%に引き上げると決めました。他事業を加えた全体の保険料率は、現行の0.9%から1.35%となり、労働者負担分は0.3%が0.5%となります。

労災新基準で初の認定(12月21日)

柏労働基準監督署は、2016年に居酒屋チェーン「庄や」で勤務中に脳内出血を発症し、後遺症が残った男性について、9月に改定された新基準に基づき労災と認定しました。
新基準での認定として初となります。20年ぶりに改定された脳・心臓疾患の労災認定基準は、過労死ラインに近い残業時間がある場合は、労働時間以外の負荷要因を十分に考慮し、労災認定できることを明記しています。

ワクチン接種証明アプリの運用開始(12月20日)

政府の新型コロナウイルスワクチンの接種を証明するアプリの運用が20日、開始されました。アプリ(新型コロナワクチン接種証明書アプリ)をスマートフォンでダウンロード(無料)し、マイナンバーカードを読み込むと、接種日などの接種記録が表示されます。政府のワクチン・検査パッケージ制度では、2回接種の証明ができれば、緊急事態宣言時でも5人以上の会食を許可したり、イベントの人数制限をなくしたりすることができます。

一人親方等への安全対策 契約先企業に義務付けへ(12月19日)

厚生労働省は、アスベスト訴訟をめぐる最高裁の判断を踏まえ、個人事業者(一人親方やフリーランス等)について、請負契約を結ぶ相手企業が安全対策をとることを義務付ける方針を固めました。労働安全衛生法に関する省令を年度内にも改正します。現在保護対象となっている企業に雇用されている労働者と同じ現場で仕事を請け負う個人事業主や、一緒に働くその家族を保護対象とします。また、資材搬入や警備など現場に出入りする業者についても保護対象とする方向です。

◆ PICKUP ◆

「シフト制」労働者の雇用管理に関する留意事項と労使向けリーフレットを公表

 厚生労働省は7日、パートタイマーやアルバイトなど、労働日や労働時間を一定期間ごとに調整して設定する、いわゆる「シフト制」で就業する労働者の雇用管理に関する留意事項と、使用者向け・労働者向けのリーフレットを作成し公表しました。
 今回の取りまとめは、使用者側の都合で一方的にシフトを減らされた・過重なシフトを組まれたなどの問題から生じる労働紛争を未然に防ぐため、労働関係法令上留意すべき事項を一覧化して示すことを目的としており、使用者向けリーフレットには留意事項の簡易チェックリストも付けられています。このうち、労働契約を巡る留意事項では、
  • 労働契約の締結時点で始終業時刻が確定している日については、労働条件通知書等で単に「シフトによる」と記載するのみでは足りず、その時刻を明記するか、原則的な始終業時刻と一定期間分のシフト表を交付することが必要
  • 労働契約締結時に定まっている休日を明示し、具体的に確定していない場合は休日設定の基本的な考え方などを明示すること
  • 労働紛争防止の観点から、使用者が一方的にシフトを決めることは望ましくなく、労働者と話し合いシフト決定に関するルールを定めておくことが考えられる
――などの点が挙げられています。

《厚生労働省HP/「シフト制」について》

改正育児・介護休業法のQ&A集を公表

 厚生労働省は11月30日、2022年4月から段階的に施行される改正育児・介護休業法のQ&A集をホームページで公表しました。Q&Aは各改正項目ごとに整理され、下記の合計51問が取り上げられています。
 1. 全体(3問)
 2. 妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置(13問)
 3. 育児休業を取得しやすい雇用環境整備の措置(5問)
 4. 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和(3問)
 5. 出生時育児休業について(10問)
 6. 出生時育児休業期間における休業中の就業(8問)
 7. 育児休業の分割取得等(4問)
 8. 職場における育児休業等に関するハラスメント(3問)
 9. 育児休業の取得の状況の公表の義務付け(従業員数1000人超の企業が対象)(2問)

《厚生労働省HP/育児・介護休業法に関する Q&A 》
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000860549.pdf




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